先日、新中1の保護者の方から、こんな質問をいただきました。
 
「うちの子、小学生の間ずっとリビングで勉強していたのですが、中学に入ってもいまだに、リビングで勉強をしています。
もう中学生なんだし、自分の勉強部屋で勉強するように言うのですが、、。これって自立を阻むことにならないんでしょうか?」
 
リビングで勉強するお子さんは、確かに多いですね。
 
小学生が84.3%、中学生は68.7%(2015年ベネッセ調べ)のお子さんが、家庭学習の場所として「リビング」を挙げています。
 
「東大生の48.6%はリビング学習をしていた」「難関中学合格者の9割近くがリビング学習をしていた」などという話もあれば、先ほどの保護者のように「自立が遅れるのでは?」の声もあります。
 
今回は、「リビングで学習すると成績が上がる?自立を阻む?」についてお伝えさせていただきます。

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リビング学習のメリットは?

 
 
リビング学習には、大きなメリットがいくつかあります。
 

お互いの時間を共有

 
まず最初のメリットとしては、お互いの時間を共有できる、ということがあります。
普段は「仕事の時間」「勉強の時間」「家事の時間」など、家族それぞれが別々の時間を過ごしていることが圧倒的に多いと思いますが、
リビング学習をすることで、お互いが過ごす時間が共有できます。
 
お母さんは明日のご飯の準備をしているし、お父さんは本を読んでいる。お兄ちゃんは友だちとメールをしている。自分は勉強をしている。
 
この「知っている」「知っていてくれている」ということの安心感は、とても大きいのです。
 
リビング学習をすると、子どもの質問にすぐに答えられる、というメリットもありますが、ただ単に同じ時間を過ごすということだけでも、子どもの勉強に大きなプラスになります。
 
 

ほどよい安心感と緊張感

 
先ほどお伝えしたように「見てくれている」安心感が大きいのがメリットですが、それだけではなくて、リビング学習には「見られている」緊張感もあるのが、大きなメリットです。
 
安心感と緊張感がほどよくあるのです。
 
自分の部屋で勉強すると、宿題を途中で放り出してゲームに走ったり、つい友だちとLINEをしてしまったり。「一人」ということの誘惑は、とても大きいですよね?
 
リビングで勉強すると、「見られている」緊張感がほどよくあるので、放り出しそうになった時に自制することができます。
リビング学習だと勉強がはかどる、という声が多いのは、ここが原因だと思います。
 
 

親が褒めやすい 

 
子どもが勉強に取り組んでいることを、親がダイレクトに褒められることも大きなメリットですね。
 
つい、私たち大人は、テストがよかった・宿題が終わった、というような「結果」に対して褒めがちですが、リビング学習をすることで、プロセスをふんだんに褒めてあげることができます。
 
これは、子どもにとっては大きな力になります。
 
 

リビング学習のデメリットは?

 
強力なメリットを先にお伝えしましたが、リビング学習にはデメリットもあります。
 

自分で管理する力がつかない

 
いつも家族と同じ空間にいて「見られている」状態の中で勉強をすることによって、「自分で自分を管理する」という最も根本的な力がつきにくい、ということがデメリットとして挙げられます。
 
これは、冒頭の保護者の方が言っていたような「自立を阻む」ことにも通じます。
 
勉強だけではなくスポーツでも仕事でも、自分が自分を管理する力、自律心というのは、最も根本的な力の1つです。
 
誰も見ていなくても、自分のことは自分で律し自分で進めていく、という力は、そういう環境にいないとなかなか育まれません。
 
常にリビング学習をしていると、この力を育む環境には、なかなか入れないことになります。
 
 

超集中状態に入りにくい

 
また、リビング学習では「超集中」状態に入りにくい、というデメリットがあります。
 
普段の宿題などをやるぶんには、ある程度の集中でいいと思いますが、テスト勉強や過去問などの高度な思考力が必要な問題を解くためには「超集中」状態に入る必要があるので、リビング学習は適しません。
 
また、「超集中」という状態を経験することは、子どもにとって大きな力になるので、いつもリビングでばかり勉強していると、その機会を逃すことになります。
 
 

それぞれのメリットを最大限に活かすには?

 
リビング学習のメリットも大きかったですが、デメリットも大きかったですよね?(笑)
この章では、リビングと自分の部屋で勉強することの両方のメリットを活かす方法について、お伝えさせていただきます。
 

勉強の種類によって変える

 
先ほどお伝えしたように、リビング学習では「超集中」状態に入りにくいです。なので、勉強の種類によって場所を変える、というのは有効な方法です。
 
例えば、リビングでやるのは「暗記系」「単純作業系」の勉強。これ以外にも「ワークの基礎問題」もリビングで大丈夫だと思います。
 
一方で、「思考系」の勉強の時は、自分の部屋でやるようにします。高度な思考や集中が必要な、英語・国語の長文問題や、数学の難問などです。
 
リビング学習をいったん終えて、自分の部屋に場所を変えることで、「頭のスイッチの切り替え」にもなりますね!
 
「それが終わったら、お茶いれるから、また降りておいで〜」など声かけしておくと、ダラダラも防げると思います。
 

年齢によって変える

 
リビング学習のデメリットの1つである「自分で管理する力がつかない」ということですが、これを防ぐためにも、年齢によってリビングで勉強する時間を減らす、などの工夫を取り入れるといいと思います。
 
冒頭の保護者の方のように「もう中学生なんだから」という意識は大切です。
 
勉強がはかどるなら、どの場所でやってもいいじゃん、というのも一理ありますが、今の時期に「一人で黙々とやりこむ」という時間を過ごすことも、かけがえのない経験です。
 
リビングの時間をゼロにする必要はないですが、「もう小学生みたいな子どもじゃないから、少しだけ自分の部屋で勉強する回数を増やしてみる?」と、きちんと大人扱いすることも、大切です。
 

大人も勉強する

 
これまで「場所を変える」ことを提案してきましたが、最後にお伝えするのは「大人が変わる」ことです(笑)
 
デメリットがあるのは分かるんだけど、リビング学習が生活の一部になっていて、それが一番勉強がはかどる、というお子さんも多いと思います。
 
その場合、リビング学習のメリットを最大限に活かせるのが「大人も勉強する」ということです。
「時間」を共有するだけではなく、「目的」まで共有するのです。
 
「さあ、勉強するか!」と皆で一斉に勉強することで、超集中に近い状態に入ることができます。
「自分で自分を管理する力」は得られなかったとしても、親のがんばっている姿を間近で見る、というのは子どもにとって、すごくいい経験です。
 
勉強する内容は、英会話でもいいし、趣味に関することでもいいと思います。また、勉強ではなくて仕事をしてもOKです。
 
ぜひ、取り入れてみてはいかがでしょうか?・・とオススメすると、たいていの方は尻込みされるのですが、、(笑)
「子どもと一緒に勉強する」ことを実践された方々のほとんどが、勉強を一緒な時間にすることで、子どもに変化が現れた、と言っていますので、試してみる価値は大アリですよ!!
 
 
 
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