先日、私の教室の保護者の方からこんな相談を受けました。
「中間テストが返ってきたのですが、どの教科もうっかりミスが多かったみたいで、”本当はできる問題”を落としてしまっています。うっかりミスってどうすればなくせるのでしょうか?」
特に新中1のお子さんは、初めてのテストで緊張して、うっかりミスが多かったお子さまもいると思います。
「うっかりミスばっかりだった」と聞くと、なんとなく「あら、惜しかったね」で済まされがちですが(笑)、
実はうっかりミスには種類があって、今のうちに対処したほうがいい場合もあります。
今回は「テストでうっかりミスばっかりだった、という中学生の保護者に読んでほしい対処法とは?」についてお伝えさせていただきます。
目次
うっかりミスは3つに分けられる
読み間違えなどのミス
「記号で書きなさいというところを、言葉で書いてしまった」「式を書きなさい、と書いてあるのに答えまで書いてしまった」など、問題文の読みまちがえによるミスってありますよね。
また、「解答欄を間違えて書いた」「単位を付け忘れた」「ピリオドを付け忘れた」などのようなミスもあります。
これらは”注意力が足りなかった”ということが原因の「ケアレスミス」で、まあ、人間ならたまにはあるよね、という感じですが、これがあまりにも多いようなら、防止策を作りましょう(詳しくは2章で)。
書き間違え・計算間違えなどのミス
”注意力”によるミスとは別に、「単語のスペルを間違えてしまった」「計算をミスってしまった」などのようなミスもあります。
これらは、本人は「うっかりミス」と言い張りますが(笑)、実際は完全に暗記しきれていないか、使いこなせるだけの力が付いていないかによるもので、「ケアレスミス」とは別物だと考えましょう。
ざっくり言うと、「勉強不足」です(笑)。
ただのうっかりミスだ!と子どもさんは言い張るかもしれませんが、「2×2」はうっかり間違えないですよね?(笑)
完全に自分のモノになっていなかったんだな、と観念しましょうw
3種類のミスの中で、このタイプは一番防止しやすいです。
1つ目のミスは、性格なども関わってきますが、この場合のミスの原因は、単なる「自分」の練習不足です。自分のアクション次第で確実に減らせるミスなので、第2章の内容を読んで、きちんと実行してみてください。
本当は理解していないミス
”注意力が足りない”ミス、”勉強量が足りない”ミスをお伝えしてきましたが、もう1種類重要な「うっかりミス」があります。
それは「そもそも本当は理解していないミス」です。
つまり、本当は「ちゃんと理解できていないから間違った問題」なのに、子どもが「うっかりミス」とアピールしているだけのミスです。
そんなことあるの?と思われるかもしれませんが、実際、教室でたくさんの生徒さんと接していると、このパターンはよく目にするのです。
一見、「ただのマイナスのつけ忘れ」「うっかりbe動詞を書き忘れた」だけに見えるので、ケアレスミスに見えるのですが、じっくりと解答用紙を見ていくと、「あ、この子、理解していないな。。」というのが分かります。
これは、親に見せる手前「うっかりミスばっかりしちゃった」と言えば、そんなに叱られない、とか、友だちにも恥ずかしくない、という心理が働くのだと思いますが、これを1回やってしまうと、きちんとミスと向き合うことができずに、理解できていないことが雪だるま式に増えていってしまうのです。
3種類の”ミス”への対処法は?
注意力が足りないミス
問題文の読み間違えや、解答欄の書き間違えのようなケアレスミスを防ぐためには、普段の勉強の時点で以下のことに注意しながら取り組み、「癖づけ」をすることが必要です。
・問題文を読むときに、最終的に何を答えるのかが明記されている箇所に線を引く癖づけ
・解き終わったら、単位や問題文の読み間違えがないかチェックする癖づけ
これらを癖づけるために有効な方法が、問題を解いて答え合わせをした後に「気づいたことを一言メモする」ということです。
自分で気づく、ということが、まずは大切です。人って、自分が気づいていないことは変えられないのです。
塾の先生や保護者から「問題をよく読みなさい」と何回も言われるより、「うわ、私また問題読んでなかったな」と自分で気づくことの方が、何倍も価値があります。
また、「癖づけ」にもう1つ加えて欲しいことが、「集中ゾーンに入る癖づけ」です。
ケアレスミスは、極度の緊張や焦りによっても起こりますが、たいていは「集中が切れている時」に起こります。「集中ゾーン」にさえ入っていれば、たとえ緊張していたとしても、注意力が足りなくなることはありません。
普段から意図的に「集中ゾーン」に入る訓練をしておきましょう。集中力をつける方法については、こちらに詳しく書きましたので、参考にしてください。
勉強量が足りないミス
1章でもお伝えしましたが、勉強量が足りていないことが原因の「ちょいミス」は、割と減らしやすいのです。
それは、このタイプのミスは「自力で解けるけど完璧ではないだけ」なので、あと数%の努力で「できるようになる」はずだからです。
この場合は、単純に「量」が足りていないだけなので、次回からの対処法としては、「何度も練習し」「暗記した(できるようになった)あとも、何度もチェックする」ということです。
具体的には、テスト1週間前から、ひと通り覚えた単語や公式などを、実際に見ないで使いこなせるか? ということを徹底しましょう。
この、徹底する、ということが、このタイプのミスを減らせるかどうかのカギを握っています。
「だいたい覚えたし、大丈夫だろう」ではなく、それを本当に何も見ないで書けるか? 覚えたことを使って、自分で問題が解けるか?という練習を、粘り強くやりましょう。
本当は理解していないミス
さて、一番厄介なのは、「本当は理解していないのに、その場を逃れたくてうっかりミスだと言っている」というケースです。
一見すると、本当にただの「うっかりミス」に見えるのです。ホントに、子どもが自分で言うように、「ちょっとした計算ミス」や「慌てていたから、isを書き忘れただけ」に見えるんですよね(笑)
こういう場合は、「なんでうっかりミスだなんて嘘つくの!本当は分かっていないじゃないの!」と問い詰めるようなことは、しない方がいいですね。
本人は、悪気があって、大人を騙してやろうとかミスを誤魔化してやろうとか企んでいる訳ではなく、単純に、「逃げているだけ」「恥ずかしいだけ」「自分を正当化したいだけ」なのです。
なので、このケースでは、テストの後にワークの類似問題などを解いてもらい、そこでしっかりと理解してもらうことが大切です。
その際、同じように、間違った問題に対して「ただのうっかりミスで、マイナスをつけ忘れちゃった」と誤魔化すようなら、そこでしっかり「間違うことは、成長するために必要なことなんだよ」ということを伝えればいいのです。
間違ったら、なんで間違ったのかを振り返って、次にやるときに間違わないようにすればいいんだよ。それって、自転車に乗れるようになるのと同じだよね?
1回も転ばずに自転車に乗れるようになる、なんてありえないんだから、
「分かっていない」「不正解だった」ということは、その都度ちゃんとオープンにすればいいんだよ。
「うっかりミス」ということにしたのを責めるんじゃなくて、こんなふうに落ち着いて話してあげると、子どももちゃんと分かってくれます。
まとめ
テスト返却の時期になると、「うっかりミスばっかりだったー」と言う生徒さんが必ずいます。
本来の意味どおりの「うっかりミス」「ケアレスミス」なら、本当に惜しいことです。本来なら正解していたはずの問題なので、テスト勉強を頑張っていたお子さんにとっては、本当に悔しいことだと思います。
「次回から気をつけよう」などと、お行儀のいいことは言わなくていいので(笑)、思いっきり悔しがって、次回へのバネにしましょう。
勉強不足が原因の「うっかりミスに見えるミス」は、練習量を増やすだけで次回からは防げます。「や、これは、うっかりミスじゃなくて、ただの練習不足なだけだから!」とズバリと、かつ明るくさわやかに伝えましょう(笑)
そして、本当は分かっていないのに、その場を取り繕いたくて「うっかりミス」と言っている場合は、「ミスは恥ずかしいことじゃない」「分かっていないということがバレるのを怖がらなくてもいい」と心を込めて伝えてあげましょう。
ここは、大人のやるべきことです。
見てみないふりをしていると、本人が「うっかりミスだったー」と誤魔化せなくなるところまで行ってしまいます。
責めるのではなく、静かに心を込めて伝えてあげることが大切です。
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