先日、LINE@に直接、こんな質問をいただきました。
「中3の娘がいます。親の目から見ても、わりと頑張っているほうかなーと
思うのですが、なかなかテストの点数が伸びません。
5教科で300点を少し超えるくらいです。
中3になると出題範囲も広く難しくなるよ、と友だちから聞いたのですが、
何か家庭学習で気をつけることとかあるでしょうか?」
ご質問ありがとうございます。
5教科で300点ちょいということは、1教科だいたい60点平均ということですね。
実はこの60点のラインって、突破するのにエネルギーがいるラインなのです。
テストの見直しについては、また別の記事で書かせていただきますが、今回は家庭学習で振り返るべき3つのポイントをまとめてみました。
目次
「机に向かう=勉強している」ではない
何時間も机に向かっている姿を見ると、がんばって勉強していると思いがちですが、実は本当に勉強に費やしている時間は半分くらい、というケースもあります。
中断・ぼんやりしていないか?
本当の集中というのは、そんなに何時間もは続きません。
もしあなたのお子さんが、2時間以上机に向かっているのなら、もしかしたら途中で「勉強している姿勢だけど、勉強はしていない」という状態があるのかもしれません。
「勉強する」という状態は、「インプットする」か「アウトプットする」のどちらかです。
知識を入れたり覚えなしたりするインプット。それらを使って問題を解くアウトプット。
このどちらもしていない、という時間はないですか?
問題を解きながらいつの間にかぼんやりしている(集中が薄い)、友だちからのLINEに返信している(中断)など、
「実はノートを開いてシャープペンを動かしているだけ」という時間がないか振り返りましょう。
解決策1:考える時は書き出す
数学や英語、国語などの思考力を問う問題を解いていると、考えているつもりが、いつの間にか別のことを考えていた。。という経験がある人は多いと思います。
これに陥ると、ただダラダラと時間を費やした割に、何も頭に残らない、ということになりますので、注意しなくてはいけません。
解決策としては、「頭の中だけで考える」ということをやめてみてください。
考える時は、紙に書き出すのです。もちろん問題用紙に直接書き出してもOKです。自分の頭の中身を、紙の上に出すのです(笑)
目に見えるものは、コントロールしやすいですからね(笑)
解決策2:超集中を30分
「中断・ぼんやり」タイプが当てはまっているなら、思い切って勉強時間を少なくすることがオススメです。
今までダラダラ2時間やっていたお子さんなら、30分に設定したみてください。
今までの4分の1の時間でやるには、超集中状態に入る必要があります。
アスリートが大切な試合に臨む前のように、気持ちを整えて「30分」に入り込んでください。
儀式を作る、中断させるものを排除するなど、詳しい集中の仕方については、「家で勉強するときに集中する方法」をぜひお読みください。
「綺麗にまとめること=勉強している」ではない
綺麗にまとめるのではなく、整然とさせる
女子に多いのが、ノートを綺麗にまとめ直すのに時間を費やす、という「勉強」です。
宿題で出ている自主学習ノートに、授業のノートを綺麗に書き写すことに30分以上かけている生徒さんもいたくらいです。
これは先ほどの分類で言えば「インプット」でもなく「アウトプット」でもない作業です。
もちろん、ノートを綺麗にかわいく書くことによって、愛着がわいたりテンションが上がったりする効果もありますけどね(笑)
大切なのは、「綺麗にまとめる」ことよりも「整然とさせる」ことです。整然と、というのは一目で重要なポイントがわかるということです。
解決策:これはインプットか?アウトプットか?を考える
大切なのは、「これはインプット・アウトプットのどちらかになっているだろうか?」と問うことです。
ノートをまとめ直すことの目的は、自分の頭の中を整理することです。目に見えるカタチで書き出すことで、もう一度理解し直すことができるからです。
これは、インプットですよね。
これが目的なら、綺麗にまとめ直さなくても紙に書き出すだけで、じゅうぶん目的は果たせます。逆に、ボールペンでぐるぐる囲ったり、矢印でつないだり、少し汚すくらいの方が、インプットには適しています。
「暗記だけしている=勉強している」ではない
がんばって勉強しているのに点数が上がらないお子さまは、インプットだけに偏って、アウトプット(実際に問題を解く)が足りていない場合が多いです。
実践をしていない
暗記したこと・理解したことは、自分で使ってみて初めて「身になる」のです。
「自転車の説明書」を覚えて「乗り方マニュアル」を理解しても、自転車に乗れるようにはなりません(笑)
「がんばって勉強している」の中に、実際に問題を解いている時間はどれくらいありますか?
ぜひ振り返ってみてください。
「間違うのが怖い」の壁
教室の生徒さんの中にも、アウトプットになかなか時間を取らない、せいぜいで宿題のワークを解くくらい、という方が何人かいます。
授業の残り時間があと10分というときに、問題を1問でも解こうとするお子さまもいれば、頑として「暗記」に時間を使いたがるお子さまもいるのです(笑)
長年この仕事をしてきて感じるのは、実際に問題を解きたがらないお子さんは「間違うのが怖い」「できていないことが露見することが怖い」というメンタルブロックを持っている場合が多い、ということです。
・間違いは失敗だと思っている。
・間違うことは自分を傷つけることだと解釈している。
・自分の実力が明らかになることが怖い。恥ずかしい。
・できれば何もなかったかのようにやり過ごしたい。
・弱点を克服するのは、後回しにしたい。
こういう思いがあるように感じます。
解決策:どんどん間違ってステップを上がろう
先ほどの自転車の例で書いた通り、自分が覚えたことは実際に使ってみないと本当にできるようにはなりません。
「分かっている・知っている」=「できる」ではないのです。
間違うことは、怖いことでも恥ずかしいことでもないです。
問題を解かなかったら隠れたままになっていた「自分の弱点」が、間違うことで明らかになるんです。
間違ったら、見直して分析して、理解し直す。そしてもう一度解いてみる。
これって、自転車に乗れるようになった時と同じですよね!!(笑)
つまり、間違うことって、ちゃんと取り組めばステップアップのチャンスなのです。
解けない・間違ったことがあったら、これで1段上に上がれる、と思うマインドを持って、問題を多く解くようにしましょう。
なお、宿題で出されるワークの問題を解くのはもちろんいいのですが、宿題のワークってたいていパターン練習になっているので、本当の実践にはなりにくいです。
いろんな種類の問題がある過去問などのテスト形式のものを少し多めに解くようにしてみましょう。
解き終わったら、必ず答え合わせをして、疑問点・不明点を解決するのも忘れないでくださいね。
間違いの見直しの方法については、「3ステップで成績が伸びるワークの取り組み方」で詳しくお伝えしていますので、一度読んでみてください。
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