私の教室に通う中学生を見ていると、本当に忙しいのが分かります。特に運動部や、強い文化部(吹奏楽、演劇部など)の生徒さんは、朝練習もあるので、睡眠が6時間くらいのお子さんもいるくらいです。
約60%の中学生が忙しいと感じている、というデータもあるくらいです。「部活が忙しいから、勉強している時間がない」これが口癖になっているお子さんも多いですね。
ただ一方で、こんなデータもあります。
「平日の家庭学習をほとんどしない」の割合が、部活をしている人24%、部活をしていない人27%。これは中学生ではなくて、高1・2のデータですが、部活をしていない人の方が、家庭学習をしない割合が高いのです。
今回は、「部活が忙しくて時間がない中学生が、家庭学習に取り組む方法」についてお伝えさせていただきます。
目次
部活をしているメリットを自覚しよう
部活を終えて帰宅してから、たくさんの宿題を前になかなか勉強に取りかかれない。。そんな時はつい「部活が忙しいから」「部活で時間がないから」と思ってしまいますよね?
まずは、部活をしているからこそのメリットがあることを、覚えておきましょう。
自己管理能力が身につく
勉強でもスポーツでも仕事でも、「向上させていく」もの全てに必要な力は、「自己管理能力」です。誰かに言われてやるのではなく、自分のやるべきことを、きちんと自分で管理し、実行していくことができる力です。
部活で忙しいお子さんは、忙しくないお子さんよりも、必然的にこの力が身につくことになります。
帰宅してから睡眠までの時間が短いということは、自分のしたいことだけを好きにしていたのでは、宿題は終わりませんから、自然と自分の欲求を管理して、時間をコントロールしているはずなのです。
集中力が身につく
また、自宅で勉強に取り組める時間が少ない、ということは、自然に集中力も高まります。
「パーキンソンの法則」についてはこちらで詳しく説明しましたが、人間って、時間があればあっただけ、仕事量(勉強量)が間延びしていくのです。
つまり、時間がある人ほど、ダラダラと勉強をすることになるのです。
部活で身につけた力を活かせる
部活を通して身についた力が、そのまま勉強に活かせる、というのも部活をしているメリットです。
例えば、ちょっとの失敗ではへこたれない、とか、うまくいくまで粘る力がある、とか。
どんな部活かにもよりますが、たいていの部活で、たくさんの練習を通して力をつけていくプロセスが経験できるはずです。
それって、勉強も同じプロセスなんですよね。最初は出来なかった問題が、何回も練習していくうちに、できるようになってくる。
この成長のプロセスの型を、そのまま勉強にズラして活かしていけるのです。
以上のようなメリットを理解した上で、では、どうやって家庭学習に取り組んでいけばいいのかを、次の章からお伝えしていきますね。
段取りを組む
その日にやるべき宿題や自主学習を、最初に段取りを組んでおきましょう。
段取りとは、「物事をおこなう順序や手順、準備」のことを言います。この「段取り力」がつくのも、部活が忙しい人が得られるメリットなのです。
段取り1:振り分ける
まずは、何をやらなければいけないのかを把握します。例えば、その日にやるべきことが5つあるなら、その内容を把握します。
そして、「軽い」「普通」「重い」に頭の中で分類していきます。
「軽い」というのは、量が少ないものや、そんなに頭を使わなくてもいいものです。
一方「重い」ものは、過去問や長文問題など、頭を使うもの、気が進まないものなどです。
段取り2:重ねる
「効率の良い勉強法」で詳しく書きましたが、重ねられる宿題はないか?を考えます。
例えば「単語テスト勉強」と「自主学習ノート1ページ」という宿題があるなら、単語の練習を自主学習ノートにすることによって、宿題が重なりますよね?
こんなふうに、重ねられるものは、重ねてしまいましょう。
それって手を抜いているみたいだ、と思うかもしれませんが(笑)、その宿題の目的から外れているわけではないし、何より、重ねることで得られた時間が10分でもできることで、宿題以外の勉強(受験勉強・塾や通信教育の課題など)に取り組むことができるわけです。
段取り3:時間を組む
段取り1・2を終えたら、時間を割り当てます。最初に取り組むのは、最も「軽い」ものです。これは、集中状態に入るための助走みたいなものとして、とらえてください。
また、「1つ仕上げた」という達成感を最初に味わうことで、加速をつけることができます。
「軽い」「重い」を1セットにしておくと、勉強がはかどります。
また、今日やるべきことの中で、隙間時間にできそうなものがないかも考えます。勉強は必ずしも机の前に座ってやらなきゃいけない、ということはないですからね!
ということで、時間の割り当てはこんな感じです。
・計算プリント(軽い)と、英語の長文ワークを21時からのドラマまでに終わらせる。
・ドラマが終わったら、単語テストの練習を自主学習ノートにやる(重ね)
・入浴中に、英作文を考える
段取りを立てるなんて面倒くさいと思うかもしれませんが、これがあることで、その都度「次何しよっかなー」と考えることがなくなるし、テキパキと片付けていくことができます。
段取りを立てるのは、慣れてくれば3分くらいでできるので、それこそ下校の時などの隙間時間に頭の中でざっくりと組み立ててみてください。
平日にしないことを決める
やるべきことをリストアップするのではなく、しないことをあらかじめ決めておくことも有効な方法です。
平日は、部活から帰宅して、宿題を終わらせることで手一杯なら、「平日にしないこと」をぜひ決めてみましょう。
例えば、「友だちとの長電話」「ドラマを観る」「友だちとゲームで対戦する」など、勉強を阻むようなことを思い切って週末に回すなどです。ドラマは録画して観ることもできますからね!
また、中1・2であれば、あっさりと「平日は宿題のみをする」と割り切ってもいいかもしれません。
その代わり、宿題に全力を注いで、得られるものは全て吸い取る、くらいの集中で臨むようにしましょう。
無理せず朝にまわす
どんなにテキパキと集中して勉強をしても、どうしても体が疲れている時や、なかなか進まなくて深夜になってしまう時もあると思います。
そんな時は、早めに眠るようにしましょう。
しっかりと睡眠をとることは、身体の成長・精神の安定・記憶の定着など、いろんな面でいい影響をもたらしてくれます。
先ほどの「しないことリスト」の中に、平日は24時を過ぎて勉強はしない。ということを加えるべきです。
「これなら朝にできる」という分量のものを、朝に回して、しっかり睡眠をとりましょう。
まとめ
大人の世界でも「仕事は忙しい人に頼め」という言葉があるくらい、忙しい人ほど時間の使い方が上手く、質の高い仕事をするものです。
部活が忙しい人は、自己管理能力や効率的な方法を身につけるチャンスだと捉えて、部活で身につけた集中力や粘り強さを、フルに発揮させてみましょう。
ただし、、、
自己管理能力って、大人でさえも完璧に持っている人はほとんどいません。大人でさえも、常にテキパキと仕事や家事をこなしている人はいません。
面白いテレビを家族と観てバカ笑いしたり、部活の帰りに思わず友だちと長話をしたり、、ということは、私は必要なことなんじゃないかなぁ、、と思うのです。
一見、勉強には役に立たないようなことでも、二度と来ない「中学生」という時期の中の1つの出来事として、あなたの中に残っていくのですから。
今回お伝えしたいくつかの方法の中から、自分に合うものを試して効果的に家庭学習に取り組めるようになってもらえたら嬉しいですが、あなたにとって大切にしたいことまで、削ることはありませんからね!w
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