長年、現場で子どもたちと接していると、「勉強ができるから自信がつく」のではなく、「自信がついたから勉強が得意になる」んだなぁ、と感じることがたくさんあります。
がんばればできるんだ、という自信を持ってもらうこと。ここが始まりで終わりなんじゃないかな?というくらい、自信を持っている子どもは自分からどんどんチャレンジして、たくさんの失敗にもめげずにぐんぐん成長していきます。
ただ、私たち大人の、何気ない言葉や接し方で、ずっと自信を持てずにいるお子さんもいます。私たち大人の声かけが、結果的に彼らを「自分はダメだ」という思いにさせていることさえあります。
今回は「自信がない子どもに、自信をつけさせるための大人の接し方とは?」についてお伝えさせていただきます。
目次
個性を認める
絶対評価をする
評価には「相対評価」と「絶対評価」があります。「相対評価」とは、他の人と比べてどうか?を基準にして評価するもので、学校やスポーツなど多くの時間を、この相対評価の中で過ごしていると思います。
一方、絶対評価とは、過去の自分と比べてどれくらい成長したかを基準にして評価するものです。
もちろん相対評価にも良さはたくさんあるので、それはそれでいいのですが、相対評価だけの環境にいると、常に人と比べてどうか?が基準となるので、少しでも劣ることがあると、どんどん自信をなくしていきます。
子どもって、ホントに様々です。
分かるのがものすごく時間がかかる子もいれば、あっという間に習得してどんどん進む子もいます。でも、どんなお子さんも、必ず成長しています。
子どもの個性を認めて、その子なりの成長を絶対評価してあげることが大切です。
絶対評価をするためには、子どもをよーーく見ていないとできません。いい加減なことを言って褒めると逆効果になります(笑)
先週よりも繰り上がりのスピードが上がった。先月よりもたくさん地涌勉強するようになった。
小さな変化を見つけて、褒めてあげましょう。
結局、絶対評価をされた子どもが自信をつけてぐんぐん伸びるようになるのは、「ちゃんと見ていてくれてるんだ」「自分のありのままを認めてくれているんだ」という絶対的な安心感が、子どもの中に「軸」を作っていくからなんだと思います。
子どもは、この「軸」を持てればぐんぐん伸びます。失敗続きでも、簡単に心が折れる、ということはありません。
時間軸を長くする
先ほどお伝えしたように、周りと比べてどんなに劣っている子どもでも、過去の自分と比べると必ず成長しています。
今、計算が遅くても、小学1年生の頃よりは、早くなっているはずです。
子どもに接するときは、「時間軸」を長く持つことが大切です。「今」という点で見ればできていないことでも、「5日前」「5日後」という時間軸の中で見ると、「今」は成長の過程なのだ、と分かります。
あまり実感できないという人は、「5年前」「5年後」という時間軸に伸ばしてみてください。
「今」の一点で評価するのではなく、時間軸の中で評価する、ということが大切です。
自分で評価をさせる
必ず絶対評価をしてくれる場所がある、という安心感だけで、子どもは自信がつきのびのびと物事に取り組むようになりますが、絶対評価の究極の形「自分で自分を評価する」ことが大切だということを、しっかり伝えてください。
これはつまり、自分で自分を認めることにつながるのですが、周りからどんな評価をつけられようと、自分の基準で自分を評価することで、自信がついていきます。
例えばイチローは、どんなに打率が良くて世間からチヤホヤされても、しっかり自分の基準で自分を評価し続けていますよね。ヒットが打てない日が続いて、どんなに酷評があっても、自分の基準で自分自身を評価しているので、心がぶれず、自信を持って取り組むことができるのです。
「今回のテスト、自分だったらどう評価する?」「今日の宿題、自分だったら何重丸をつける?」などの声かけを取り入れてみましょう。
「心配だ」より「信じてるよ」
この仕事をしていると、「この子は〜だから、心配だ」と、常に子どもを心配している保護者の方を見かけます。
もちろん大人が子どもを心配するのは当然なのですが、心配が行き過ぎると子どもは自信を持てなくなっていきます。
「心配だ」は「信じられない」と同じ
「発表会の本番で、ちゃんと弾けるか心配だわ」「教室で、ちゃんと授業を聞いているのか心配で、、」という声かけを常にされているお子さんは、総じて、自分に自信をなかなか持てなくなります。
なぜなら、「心配だ」ということは「信じられない」ということと同じだからです。
「発表会の本番で、ちゃんと弾けるか心配」ということは、「本番でちゃんと弾けないんじゃないかな?」と思っているのです。「教室で、ちゃんと授業を聞いているのか心配」ということは、「あなたがちゃんと授業を聞いているとは信じられないわ」と伝えているみたいなものなんですね(笑)
「心配だ」という言葉を過剰にかけられると、子どもはどんどん自信を持てなくなっていきます。
子どもが大切なんだから心配して当然、と私たち大人は思って声かけしますが、子どもにとってみると「自分は本番でちゃんと弾けないかもしれないんだな、、」と感じるのです。
心配だ、という言葉の代わりに「信じてるよ」という言葉をかけるようにしましょう。
「〜ちゃんなら、発表会の本番に、今までの練習成果をバッチリ出せるって信じてるわ! 思いっきり楽しんでおいで」という声かけをしてもらえることが、子どもの自信につながります。
自分の一番大切な人が信じてくれている、ということは子どもにとって、ものすごく大きいことなのです。
ピグマリオン効果の偉大さを知ろう
指導する側が「この子は絶対に伸びる」と強く信じていることが、その子の成長を促進させます。これは「ピグマリオン効果」というもので、「人間は期待された通りの成果を出す傾向にある」のです。
これは私も強く実感していることです。
大人側が「この子はこれ以上成績が伸びるのは厳しいな」と思いながら接するのと、「この子はきっと伸びるな。今はその途中段階なだけだ」と思いながら接するのとでは、全く違った結果になります。私自身びっくりするくらい、成長を信じ切って接するだけで、子どもは必ず伸びます。
子どもに接するときは、大人の側が子どもの成長を強く信じていることが大切です。「これだけ頑張ってるんだから、絶対伸びるよ!大丈夫!」と100%信じて、言い切る。
これは、大人にとっては勇気がいることなのですが、ここが100%かどうかで子どもの伸びしろが決まると言ってもいいくらい、大切なことです。
まとめ
100点を取ったり、1位を取ったりすることで結果的に「自信」が身につく、というパターンは、もちろんあります。
しかし本当は、結果がよかったから自信がつくのではなく、自信を持って取り組むから、いい結果を出せるのです。
「どんな自分でも大丈夫!」
「ちょっとくらい失敗しても、別に怒られたり否定されたりしない」
「自分の頑張りをちゃんと見てくれている」
「いつかはできるようになる、って信じてくれている」
そんな思いを持っているお子さんは、自分なりのペースで着実に成長していけます。少しくらい上手くいかないことがあっても、「最終的にはできるようになる」と自分自身を信じきれるので、心が折れることはありません。
子どもに、そのような自信をつけさせるのは、大人の接し方・心の持ち方しだいです。
「あなたなら大丈夫!」「きっとできるよ」と、私たち自身がどれだけ自信を持って接することができるか?が、大切なのです。
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